第8回経済財政諮問会議:消費税率引上げと需要変動の平準化

平成30年6月5日、第8回経済財政諮問会議が開催されました。
そのなかで2019年10月1日の消費税率引上げと需要変動の平準化について話し合いがあり、消費税率引上げの必要性やその影響を緩和する措置などについて、国民に分かりやすく広報を行う、とされました。
そのほかの内容は以下の通りです。
詳細は内閣府ホームページにてご確認ください。

(1)消費税率引上げ分の使い道の見直し
社会保障の充実と財政健全化のバランスを取りつつ、人づくり革命の安定財源を確保するために、2019年10月1日に予定している消費税率引上げ分の使い道の見直しを行った。具体的には、消費税率の%の引上げによる5兆円強の税収のうち、従来は5分の1を社会保障の充実に使い、残り5分の4を財政再建135に使うこととしていたが、これを変更し、教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等136と、財政再建135とに、それぞれ概ね半分ずつ充当する。このうち、幼児教育の無償化、介護人材の処遇改善について、消費税率引上げ日の2019年10月1日にあわせて実施し、消費税率引上げによる経済的な悪影響を緩和することとする。
(2)軽減税率制度の実施
2019年10 月1日の消費税率10%への引上げに当たっては、低所得者に配慮する観点から、酒類及び外食を除く飲食料品と定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞について軽減税率制度を実施することとしており、引き続き、制度の円滑な実施に向けた準備を進める。
(3)駆け込み・反動減の平準化策
わが国においては、消費税は1989年に導入されて以降、導入時及び税率引上げ時に、一律一斉に価格を引き上げる税制との認識が広く定着している。これに対し、1960年代から1970年代前半に付加価値税が導入され、税率引上げの経験を積み重ねてきている欧州諸国では、税率引上げに当たり、どのようなタイミングでどのように価格を設定するかは、事業者がそれぞれ自由に判断している。このため、税率引上げ日に一律一斉に税込価格の引上げが行われることはなく、税率引上げ前後に大きな駆け込み需要・反動減も発生していない。消費税は消費に広く公平に負担を求める性格のものであることを踏まえた上で、2019
年10 月1日の消費税率引上げにあたり、税率引上げの前後において、需要に応じて事業者のそれぞれの判断によって価格の設定が自由に行われることで、駆け込み需要・反動減が抑制されるよう、その方策について、具体的に検討する。
一方で、下請等の中小企業・小規模事業者に対する消費税の転嫁拒否等が行われないよう、転嫁拒否等に対する監視、取締りや、事業者等に対する指導、周知徹底等に努め、万全の転嫁対策を講じるとともに、中小企業・小規模事業者のIT・決済端末の導入やポイント制・キャッシュレス決済普及を促進する。
(4)耐久消費財対策
2014 年4月の消費税率引上げ時に耐久消費財を中心に駆け込み需要とその反動減が生じたことを踏まえ、2019年10月1日の消費税率引上げに際し、税率引上げ後の自動車や住宅などの購入支援について、需要変動を平準化するため、税制・予算による十分な対策を具体的に検討する。

内閣府ホームページ「平成30年会議情報一覧/第8回経済財政諮問会議 会議資料」
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0605/shiryo_01.pdf